もしも介護事故が起きてしまったら

どんなに注意を払っていても、介護現場では利用者の転倒や皮膚剥離といった事故が起こってしまうことはあります。
そのような万が一の際に、ご家族にその事実をお伝えする事故報告は、介護士にとって最もプレッシャーを感じる業務の一つです。
しかし、この報告の仕方次第で、大きなクレームに発展する事もあれば逆に信頼関係を深める事もあります。

怒りを防ぐ事故報告の正しい手順において、一番大切なのは迅速さと隠し事のない誠実さです。
事故が発生したら、ご本人の安全確保と処置を行ったあと、可能な限り早くご家族へ連絡を入れます。
軽いから後回しにするという自己判断や、事実を小さく見せようとするごまかしは、後々に発覚した際に決定的な不信感を生みます。

報告するときは、電話口でまず「ご心配をおかけして申し訳ありません」と、怪我をさせてしまった事実に対して真摯に謝罪します。
その上で、「いつ・どこで・誰が・どうして・どうなったか」という客観的な事実を、順序立てて分かりやすく説明しましょう。
さらに重要なのが、「今後同じ事故を起こさないための具体的な対策」をセットで伝えることです。
「今後はベッドの高さを調整し、センサーマットを設置します」など、施設としての再発防止策を提示することで、ご家族に「しっかりと向き合ってくれている」という安心感を持ってもらうことができます。
誠実な対応を徹底することで、ピンチを信頼関係構築のチャンスに変えることができるのです。